会計処理を行うSTEP
売上などの数値目標を設定し、それに向けてお店の方針を考えることは、お店を経営する上で必要不可欠です。そのためには、お店の状況を数値化して把握する必要があります。ただし、お店の状況を数値化するためには基となるデータを取る必要があります。
今回は、そういったデータの取り方や会計上の処理方法を説明します。
売上(注文)伝票 ~記載事項~ in(注文)out(会計)時間 男or女 人数 店売or出前 その他欲しい情報 |
|
step1 売上伝票
売上伝票とは、一般的にはお客様の注文内容や単価を記したもの、というイメージがあるかと思います。確かにそれも正しいのですが、活用方法によっては自分が欲しい情報を得るために有用なツールとして利用できます。
例えば、お客様の入店時間・退店時間をメモしておけば、時間当たりの客席回転率を計算することが出来ますし、そこから時間当たりに必要な材料量を把握することができます。 また、おおよその年齢や来店者の特性(サラリーマンや主婦・学生など)を把握することで、新たなニーズの発見に繋げることもできます。
自分のお店にとってどういった情報が必要なのかを考え、売上伝票を上手く活用しましょう。
→売上(注文)伝票のフォーム
|
|
|
営業日報
~記載事項~ 伝票集計 レジスター売上合計 現金残 現金払い経費 時間帯別売上高・ 来客数 その他特記事項 |
|
step2 営業日報
営業日報とは、その日の売上高や時間帯別の来客数、材料仕入れなどを記載し、1日の営業に関してまとめたものです。
まずは売上伝票を集計することで売上高を求め、レジスターの売上高合計と一致するかを確かめましょう。一致しない場合は、いくつかの原因が考えられますが、何事にせよ改善策を考える必要があります。
その後、新たに発注した材料仕入れや気づき等、お店の営業に関わることを記載します。
一見面倒にも思える作業ではありますが、続けるうちに何を記載すべきかが固まり、作成にそこまで時間が掛からなくなっていきます。その上、お店の数字に毎日触れることになるため、経営者目線を鍛えることにも繋がります。
お店を繁盛させるためにも、まずは日々の営業の数字を把握するところから始めましょう。
→営業日報のフォーム
|
|
|
月間売上表
~記載事項~ 毎日の売上高・ 来客数 客単価など |
|
step3 月間売上表
月間売上表とは、日々の営業日報をひと月分にまとめたものを指します。お店の状況を正しく把握するためには、1日の売上高で見るのではなく、ある期間での傾向を見る必要があります。つまり、時間軸を点ではなく線で捉えなければなりません。それにより、曜日ごとに変化を捉えることができるだけでなく、目標売上高の達成率等を知ることができます。
日々の営業日報を一気にひと月分纏めるのは大変なので、週単位で集計するようにしましょう。
また、売上高だけでなく客数や客層も絡めることで、売上高が変動した要因等(気候やイベント等)を整理することができます。こういった数値以外のデータをまとめておくことで、いざ必要になった時に情報を引き出すことができます。
→月間売上表のフォーム
|
|
試算表
記載事項 売上高 費用 (固定費・変動費別に) |
|
step4 試算表
試算表とは、売上高や費用を分解し、詳細な経営状況について把握するために作成するものです。
まずは、月間売上表からその月の売上高を転記します。その後、経費を固定費と変動費に分けて集計します。そのデータから、粗利や営業利益など色々な利益も求めておきましょう。
他にも、借入金や買掛金等の負債も記載しておくと、資金繰りに関しても把握することが出来ます。
こういったデータをまとめることで、損益分岐点売上高や営業成績、目標や改善策等を考えることができます。
近年、様々な経理・会計ソフトが社会に出ており、一から自力で作成することはない、という方もおられるかもしれません。しかし、経理の仕組みを分かっているのといないのとでは得られる情報が全く違ってきます。
実際に運用していく中で、徐々に自分の使いやすいように工夫していき、経営改善に役立てましょう。
→試算表のフォーム
|
|
お金に余裕がある場合、POSシステム(販売時点情報管理:Point of Sales)を導入し、効率的に、より正確な情報を得ることも一つの手段です。
しかし、時間があるのであれば一度は自分の手で情報を収集し、分析してみることをお勧めします。収集する過程で、自分のお店がどういう状況なのか、何が課題なのかということをの当たりにすることは、経営者目線を鍛えることに繋がります。
まずは上記の流れで実践し、徐々に自分がやりやすいようにアレンジしてみて下さい。