FLコスト(FL比率)とは
飲食店を営む上で、FLコスト・FLコスト比率という指標を必ず頭に入れておく必要があります。
FLコストとは、Food and Labor costのことであり、その名の通り食材費と人件費を合計したものを指します。また、別名プライムコストとも呼ばれます。
お店を維持・拡大するためには、売上高を確保するだけでなく、同時に営業に必要なコストについてもしっかりと管理する必要があります。その際、FLコストは重要で無視できない指標である、というように認識してください。また、売上高に対するFLコストの割合をFL比率(プライムポイント)と呼びます。
数式に表すと、
FLコスト = 材料費+人件費
FL比率 = FLコスト/売上高
ということになります。
業種にもよりますが、飲食業全体の平均は55%~65%と言われています。
60%を越えると利益が出にくくなり、65%以上だと概ね赤字経営になるようです。
FL比率が高いということは、それだけ営業利益率が低いということになりますし、逆にFL比率が低ければ営業利益率が高くなります。
したがって、FL比率の適正化を行うことは、飲食店を営む上で非常に重要と言えるでしょう。
FL比率の適正化
FL比率を低下させるためには、
①材料費を抑える
②人件費を抑える
の2通りの手段が考えられます。どちらの手段を考えるべきなのか、どちらも考えるべきなのかについては、お店の状況を分析して考えましょう。
①の手段をとる場合、まずは無駄な廃棄がないかを確認しましょう。
1日に使用する材料量は日によって異なりますが、おおよそ幅があるはずです。それをある程度踏まえ、材料量の適正化を行えば材料費を抑えることに繋がります。また、代替可能な材料や効率的なメニュー構成などを考えることも一つの手と言えるでしょう。
②の手段をとる場合、無駄なシフトがないかを確認しましょう。
どういった業種にもある程度言えますが、飲食業の場合は時間帯による客数が顕著に異なります。
単に人を減らすのではなく、そういった時間帯別の客数を把握し、そのうえで適正なシフトを組むことが重要です。
他にもFL比率を見直す方法はあるかと思いますが、FL比率が60%を超えるお店は、概ねこれら①・②を再度見直す必要があると思います。
こういった指標を意識しお店を営むことは、お店の状況を把握するうえでも非常に重要です。
手間に思うかもしれませんが、お店を維持・拡大していくためにも、FLコストやFL比率の管理には十分に注意しましょう。